セクハラ・パワハラ問題の対処法・解決法

人間関係のトラブル解決・対処法

 
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                 Q1 セクハラって何?

                 Q2 セクハラに関する法律は?

                 Q3 セクハラの類型は?

                 Q4 セクハラへの対処法は?

                   Q4-1 証拠集め・仲間集め

                   Q4-2 第三者への相談

                   Q4-3 本人に伝達

                   Q4-4 会社へ訴える

                   Q4-5 法的手段に訴える

                 Q5 セクハラの慰謝料は?
                
行政書士 マルケン事務所
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Q1 セクハラって何?
A1 セクハラ(Sexual Harassment)は、一般に「性的嫌がらせ」と訳され、その内容は、
「性関係強要型」「身体接触型」「発言型」「視覚型」などに分類されます。
 いろいろな型がありますが、全体としては「意に反する性的な行為」と考えてよろしいでしょ
う。

 さて、この「意に反する」というのが大変微妙で抽象的な概念です。よく例として出されるの
が、嫌いな人だとセクハラだけど、気に入っている人ならセクハラにはならない、などというこ
とです。
 これは、人それぞれ感受性が違いますから(性に関しては特に)、ある意味、仕方のないこ
とでしょう。ある行動が、セクハラかそうでないかは、被害者の感じ方次第と言えます。

 よく問題にされるのが、身体を触る、女性が羞恥するような性的な言動を行う、地位を利用
して交際を迫る、不当な中傷をするなどの行為です。

  かつては、ちょっとしたことに過敏に反応する女性は、「感情過多」として逆に異端扱いさ
れていました。
 しかし、「セクハラ」という概念が浸透してきた現代では、性に関する多様な感受性を尊重し
ようという考え方が一般的になり、今まで我慢を強いられてきた女性の権利が保護される環
境ができつつあるのは、喜ばしいことです。

 ところで、このセクハラの被害者は、女性だけではありません。男性にもたくさんいるのは
事実です。しかしながら、女性の方が圧倒的に多いことは確かです。
 
 事業主は、労働者(男女を問わず)に対し、セクハラに関する方針を明確にし、相談や苦情
を受ける窓口を設け、実際にセクハラが起きたときは迅速に対応しなければなりません。


Q2  セクハラに関する法律は?
A2  性に関する犯罪は、たとえば、レイプであれば強姦罪(刑法177条)、身体に触る行為ならば強制ワイセツ罪(刑法176条)などを構成します。また、人格権侵害ということならば、不法行為(民法709条)となり、損害賠償を請求できます。

 しかしながら、職場におけるセクハラについては、その態様はさまざまで、単純に刑法や民法の規定を当てはめて処理できるものではありません。
 そこで、平成11年に男女雇用機会均等法が改正され、職場内で労働者が、日頃から性的に不愉快に感じていることに対し、事業主(使用者)が必要な雇用管理をとることが求められるようになりました。
 
<男女雇用機会均等法第21条の要旨>
 ・事業主は、職場において行われる性的な言動に対する女性労働者の対応により、その女性労働者が労働条件に不利益を受けたり、就業環境がその性的な言動により害されることのないよう雇用管理上必要な配慮をしなければならない。 

 同法ではまた、厚生労働大臣が事業主の配慮すべき事項について定めるとし、労働省(現厚生労働省)は以下の指針を出しました。
 
 さらに、事業主の責任ということになりますと、民法第715条(使用者責任)は、会社は仕事上で従業員が第三者に与えた損害を賠償する責任を定めています。


Q3 セクハラの類型は?
A3 セクハラは、対価型ハラスメントと環境型ハラスメントの2つに分類できます(Q2の
労働省指針による)。

 対価型とは、「性的な言動に対する労働者の対応により、その労働者が労働条件に不利益
を受けるもの」です。
 つまり、セクハラに対して、拒否や抗議をしたときに、不当な配置転換や減給、降格処分の
ほか、ひどいときには会社を退職させられるなどという「報復的」な意味合いが強いもので
す。このような行為は無効とされます。
 また、明らかな賃金差別やいじめなどは、それが違法である限り、損害賠償の対象になり
えます。

 一方の環境型とは、「性的な言動により、労働者の就業環境が害されるもの」です。
 これは、日常的に卑猥な内容の発言を受けたり、上司に身体を触られたりなど、労働条件
そのものは不利益にならないが、職場環境が悪化するようなものです。
 その他、ヌードのポスターが職場に貼ってあったり、特定の人物に関する性的なウワサやプ
ライバシーに関することを言いふらしたりすることも含まれます。
 また、「おばん、ばばあ、くそばばあ」などの発言も、不法行為とした裁判所の判断もありま
す(平成10.3.11和歌山地裁)。この伝でいけば、「じじい、くそじじい」なども、その可能性があ
ると言えます。



Q4 セクハラへの対処法は?
A4 女性(もちろん男性でも)が不快感を感じたり、セクハラだ!と思ったら、それは、
れっきとしたセクハラであると言えるでしょう。ここで大切なことは、絶対に泣き寝入りしないと
いうことです。黙って過ごしていると、そういった行為がエスカレートする可能性が高くなりま
す。
 以下の手順で、対処しましょう。

Q4-1  証拠集め・仲間集め
A4-1  まず、セクハラだと感じたら、その証拠を集めることに専念しましょう。その
時だけでなく、それまでにされた不快な行為を思い出して、書き出してみましょう。また、今後
のことも、逐一、具体的に記録をとっておきましょう。

 ポイントは、@いつ、Aどこで、B誰に、C何をされたか(or言われたか)を詳細に書き出し
ます。
 さらに、相手からのEメール、手紙はもちろんのこと、写真や録音テープ等もできる限り入手
できるように努力しましょう。どういう形にせよ、最後にモノを言うのは証拠です。どんな小さな
ものでも、大切にとっておきましょう。

Q4-2  第三者への相談
A4-2  まず、同じような被害にあっている人がいれば、一致団結しましょう。一人で
戦うよりは、精神的・立場的にはるか優位に立てます。そのような人がいなかったり、職場の
誰もあなたがセクハラにあっていることに気づいていない場合は、信頼できる同僚などに事
情を話し、目撃者・証人になってもらうよう協力を要請しましょう。
 
 また、加害者を指導する立場にある人(その上司など)に、相談するのも考えましょう。ただ
し、この類の性的な話は尾ひれがつきやすく、問題が解決しても、職場に戻りにくくなってしま
い、辞めざるを得ないということが少なくありません。
 
 いずれにせよ、あなたのプライバシーが守られることが大前提であり、そういう信頼できる
に足りる同僚・上司でないと、相談するのは難しいかも知れません。

 それから、すこし大きな会社になれば、労働相談窓口を設けていることがあります。また、
労働組合も相談に乗ってくれることもあります。 

Q4-3  本人に伝達
A4-3  一生懸命集めた証拠と相談したことをもとに、本人に、「セクハラをやめる
こと」「やめないと、しかるべき手段に訴える心積もりがあること」を伝えましょう。なるべく穏便
に解決したい旨も、合わせて伝達します。
 
 これは、口頭でもかまわないですし、言うのが難しいようであれば、内容証明郵便で抗議
するという手もあります。


Q4-4 会社へ訴える
A4-4  本人に伝えたのにもかかわらず、態度を改めなかったり、実際問題として、
本人には直接言いにくい場合もあります。そういう時は会社に下記のような事項について請
求することができます。これは、内容証明郵便で、伝えるのがよいでしよう。
・ セクハラ行為の差し止め
・ 謝罪
・ 損害賠償(経済的な損失のほか、精神的苦痛に対するもの)
・ セクハラ防止について、会社ぐるみでの取り組みを求めること
                                      などです。
 会社は、苦情を申し立てた従業員に対し、業務や待遇において不利益な取扱いをしてはな
らないことになっています。
 ただ、従業員がみな、セクハラに対して非協力的な場合や、社長自身が加害者である場合
もあります。
 また、会社がセクハラの事実を知っていながら放置していたとか、迅速に適切な処置をとら
ないケースもあります。

 こういう場合は、民法第715条による使用者責任を問われることになりますし、最悪の場
合、刑事告訴もありうるでしょう。
 いずれにしても、セクハラの事実が存在し、その防止を求めたという証拠としても、内容証
明郵便を会社宛に送ることは、重要なことです。
 


Q4-5 法的手段に訴える
A4-5 労働委員会に申立をしたり、都道府県労働局に置かれる紛争調整委員会における斡旋制度を利用するのも一つです。

 最終手段としては、裁判ということになります。
 セクハラをめぐる裁判は全国各地で提訴されています。使用者責任を認めたり、高額な慰謝料が認められているケースも多くあります。

 裁判になると弁護士に依頼することになり、ある程度の費用は覚悟せねばなりませんし、時間もかかります。
 また、仮に勝訴したとしても、その後の会社との関係がギクシャクすることは避けられないかもしれません。
 しかし、さらなる被害者を出さないためにも、泣き寝入りはして欲しくないと、個人的には考えます。

Q5 セクハラの慰謝料は?
A5 「慰謝料」とは、「心の痛み」をお金に換算するもので、大変抽象的な概念です。要は、「心が癒される金額」ということになりますが、実際請求する際は、なかなか解りにくいものだと思います。
 その目安となるよう、裁判における請求額と、実際に認められた額を紹介します。 
 詳細はこちら→セクハラ判例




     

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代表 行政書士 福本 健一 プロフィールはこちら→所  長
    
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